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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第13章 輪廻





俺はなぜだか、怒りを覚えた。

「戻って来いも何も、
そっちがあいつを切ったんじゃねぇのか!」

俺の言葉に驚いたその男は、

「えっ⁉︎そんなとんでもない!」

両手を胸の前で振った。

「あんないいコ、
クビにするわけがないじゃないですか!
お客さんにも人気があって、丁寧な仕事するし…
他のバイトに転向するから辞めたいって言われて
…それでも来られる時だけでも来て欲しいと
お願いはしていたんですが…
ドタキャンされた翌日に、
もう辞めさせてくれと言われてしまって…」

「……」

ドタキャン、て…
俺と一緒にいた夜の事か。
その翌日、といえば…あの、
公園で男とイチャついてた日だ。

あいつは、クビになったと言っていたが、
…自分から辞めたってことなのか…?

なんで、そんなウソつく必要があったんだ。

「あのー…ハルちゃんの彼氏さんですかねぇ?
だとしたら、あのコ、ほんとにもう
復帰はしないですよね…?」

「……」

彼氏なんかじゃねぇ。
居場所すら知らねぇ。
…居場所……居場所?

「なぁ、あんた店長さんか」

「あぁ、これは失礼しました!
名乗りもせずに…」

「いや、そんな事はいいんだ。
あいつを説得してやらないでもない。
ただ、俺が言った所で了承する保証はない」

「えっ⁉︎本当ですか⁉︎ありがたい!」

店長は舞い上がっている。
…いい傾向だ。

「ただな、俺、あいつんち知らねぇんだ。
まだ日が浅くて…恥ずかしがって自宅を
教えてくれなくて…。
住所を教えてくれれば
今から行ってやってもいいぜ」

「そんなにすぐに⁉︎…あぁ、
でも個人情報を教えるのはちょっと…」

「客も待ち侘びてんだろ?
楽じゃねぇな、客商売も」

ダメ押しの一言。
店長はぐっと拳を握り、

「よし!お兄さんを信じよう!」

…大丈夫か、この店長…。






何はともあれ、
俺は睦の住所を手に入れた。

あいつを復帰させる気なんてサラサラねぇ。
住所聞き出すための、ほんのでまかせだ。

スマホで地図を開き、
番地を入力。
すると見えてきた、ボロボロのアパート。
何度も確認するが
間違いなく、ここだ。



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