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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第13章 輪廻





俺は何だかわからない想いを抱えて、
くっついたままの2人を引き離す。

「ハルちゃん、こいつ何なんだ。
ストーカーとかヤバいヤツじゃないのか?」

「違う違う!ごめんね、昨日のお客さんなのよ」

「昨日の…?てことはコイツのせいで
来られなかったってコトじゃないか!
おい、君、勝手な事して
困るのは彼女なんだぞ!
だいたい何だ。僕らの邪魔をして」

その男は一方的に俺を責めた。

この俺様に喰ってかかるとはいい度胸だ。
売られた喧嘩、買ってやろうとしたその時。

「…勝手な事したのは私よ。
この人の事、悪く言わないで」

ひどく冷たい声。

驚いたのは、その男と俺だ。
2人して、睦の顔を
穴を開ける勢いで見つめてしまう。

…睦が、俺を庇った。

俺たちの視線に気づき、まずいとでも思ったのか、
睦は取り繕うように笑顔を作った。

「…ごめんね私、昨日、無断欠勤したら
切られちゃったの。だから、あなたとはもう
会えないと思うんだ」

その男の手を取り、
ゆらゆらと左右に揺らしながら
上目遣いをしている。

「お店関係なく、私のコト買ってくれる気があるなら
連絡してね?」

頬を染めて惚けているその男に、
小首を傾げ、強請るように微笑む……

「…オイ‼︎」

「ひゃ‼︎な、何!」

急な大声に驚いた睦は
俺を振り返る。

睦の手を奪い返し、

「ねぇから!こいつ足洗うから!」

「はぁ⁉︎」

睦は目を剥いた。

「何なら俺専属だから!
二度とこいつに連絡すんなよ!」

「ちょっと、何言ってんの⁉︎そんな話し…」

「したんだよ、忘れたのか!…オイお前!」

呆然としていたその男は
俺に呼ばれて、びくりと跳び上がった。

「な、なんでスか…」

「聞いてたな⁉︎そういう事だ。
こいつの事は忘れろ!二度と連絡寄越すなよ」

「……」

「返事‼︎」

「ハ、ハイ‼︎」

「よし!行くぞ‼︎」

睦の手を引き歩き出す。
公園を出た所で、我に返った睦は

「ちょっと!勝手な事しないで…
離してよ、バカ!」

喚き散らして暴れた。

「黙れ‼︎」

俺が怒鳴りつけると
びくっとすくみ上がり黙り込んだ。






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