第12章 形影一如
でも、首筋をベロリと舐め上げられ、
ぞわりと背筋を泡立たせてしまう。
逃げられないように
身体をしっかりと捕まえた宇髄さんが
私を見下ろした。
「睦…
俺を欲しがれ…媚びろ睦…っ」
耳元で囁かれた瞬間、
全身がびくりと跳ねて、目の前が真っ白になった。
「…っあ″あ″ぁっ…!」
「は…ぁ…っ」
彼の欲が、奥で放たれる。
私は全身で、彼にしがみついた。
ぎゅっと強く抱きしめられて、余韻に浸る。
目を閉じて、
すぐには呼吸を整えられない私の唇を奪い…
肩をそっと撫でてくれる。
いつまで、こんなことをしているんだろう。
いつまでも、していられる…。
この人相手なら。
「睦…俺、だめだ。
ホントに、お前離せねぇ…」
困り果てて、私の胸元にしがみつく。
私はそれをそっと抱きしめ、髪を撫でた。
…いいよ、とは言えなくて、
でもダメとも言えず、私も困ってしまう。
「……このまま…こうして眠るのはダメ?」
よしよしと何度も撫でた。
「この、まま…」
「うん。今日は私が、だっこしててあげるから」
こちらを向いて
側臥位になっている彼の首の下に腕を通し
頭のてっぺんに頬を寄せて
きゅっと抱きしめてみる。
この位置なら、私の腕はつらくないし
ちゃんと抱きしめてもあげられる。
「…ん」
満更でもなさそうな表情。
宇髄さん…もとい天元は顔をこちらに向け
「睦…」
「はい?」
「ん」
目を閉じて、顎を上げる。
……。
何をすれば良いか理解して、少し戸惑うが
意を決して、ちゅっ、と口づけた。
満足そうに微笑んで、
「おやすみ」
ようやく眠る気になってくれた。
私も、
「おやすみなさい」
と告げると、
急激に睡魔に襲われて、
一瞬で、眠りに落ちてしまった。