• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第12章 形影一如





「あの…そんなにたくさん、
本当に良かったんですか?」

こんなこと初めてで、
ひどく不安になってしまう。
すると少し目を見開いて

「良いに決まってんだろ。
こんなとこに来た時くらいなぁ
羽目外さなくてどうする。
それでなくとも普段は何も欲しがらねぇんだから」

部屋の真ん中に置いてあるテーブルにつき、
座布団に座り込んだ。
私もそれに倣って、
テーブルを挟んだ、彼の正面に座った。

「あー、睦が何か欲しがるのなんて
珍しいから楽しかったなー。
俺、お前に何か買ってやんのすっげぇ楽しい」

心からの笑顔を見せる宇髄さんは
私を見ると急に真顔になって

「何でお前、そんな遠くにいんだ。こっち来い」

一転、ちょっと不機嫌そうだ。

「え…いえ、お茶でも淹れますね」

私はテーブルに用意されていた、
お茶セットに目をやった。
お茶っ葉の入った急須に湯呑みが2つ。
熱いお湯の入ったポット。
早く飲んで下さいと言わんばかりに
そこに鎮座している。
それに伸ばした手をパシッと取られ…

「そんな普段してるような事はいい」

「あ…」

テーブル越しにぐいっと引っ張られ、
上半身がテーブルに引き上げられてしまう。
彼がどうしたいのかよく分からず、

「あの…」

言いかけた言葉を唇で塞がれた。

「!」

驚いた私は、つい身を引く。
なのにつかまれた腕が邪魔をして逃げきれない。
でも宇髄さんはそれ以上
何かをする気はないらしく、
目の前でにっこり笑みを浮かべる。

「風呂行こっか」

……はい?

「…いってらっしゃい」

「…一緒に決まってんだろ」

「…行くわけない」

「………」

じとっとした目で責めるように見つめられるが
一緒になんて、入る気ありませーん。

「露天風呂なんだよなー」

鼻先が触れる程の距離で嬉しそうに言う。

「露天風呂⁉︎」

「景色、きれいだろうなー」

「……」

見たい!
きれいな景色でお風呂なんて最高だ。

「きれいな景色見ながらの風呂なんて
最高だろうなぁ」

私の気持ちを
驚く程ぴたりと言い当てる宇髄さん。
…私の気を引こうとしてるだけだ。
でも…何て魅力的なの。



/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp