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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.






「しかもまだ動けると来たか…」

ぼそりと呟き
宇髄さんは私の腰を強く支え自分に押し付けた。
何をする気かと考える間もなく
私の両脚の隙間に自分の両膝を割り込ませ
掬い上げるようにしてそれを立て
彼の腰を跨がされる。

立てた膝が邪魔をして
閉じられないようにされて…
そんなの、嫌な予感しかしないし。

私が動けたら、何か問題がある…?

「…み、ず」

飲みたいよと伝えてみる。

ふと目をやった宇髄さんの頭の下には
さっきまではなかった、二つ折りにした座布団。
しかも2枚重ね。
単に枕代わりにしただけかと思ったけれど
さっき、コレじゃダメと言われたのは
私の体勢が悪くなるからかなと思った。

その座布団のおかげで
宇髄さんの上体は持ち上がっている。
という事は
胸の上に乗っかっている私の頭が
落ちずに済むということで。

そういう小さな事を
ちゃんと考えてくれそうだもんね…

「睦ちゃん…」

ほらほら、嫌な予感は
更に濃厚なものになってきた。
『ちゃん』をつけて呼ばれる時は
何かしらおかしな事を提案されるのだ。

「俺はなぁ、」

「…ん…」

「睦をただ守りてぇの」

「…へ、」

予想外だった。
もっと違う事を言われるものだと思っていた。
故に、声にもなり切らないおかしな声が出た…

「守らせてくれるか…?」

やけに穏やかな声で
語りかけるように宇髄さんが優しく笑う。

守らせて、というのがどういう意味なのか
よくわからなくて
じっと彼の目を覗き込んでいると

「…くくくく」

いつものように喉で笑われて

「別に、んな難しいコト訊いてねぇだろ?」

もっともな事を言われた。
そうね、
うんって頷いてしまえばそれで済む話だ。
放り出されるわけではない、
守る、と言っているのだから。

でも話の意図が見えない。
簡単に頷いてもいいものか…

と、いうか

そんな話をするのに
こんな格好を強いられるのはどうなのか。


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