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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.






だけど
彼の膝の上に横座りをした状態のまま
後ろに倒れこんだおかげで
宇髄さんの脚に膝を引っ掛けた格好で

それが何だか恥ずかしいような気がしたから
抜け出したかっただけの話で…

宇髄さんは宇髄さんで
私を支えようとした勢いで
胡座をかいたまま横倒しになったから
腰を捻った変な格好…

「あの、…どいて下さい…
どきますから…」

掴まれた腕に力を込め持ち上げようとした。

「どかなくていい。だから、どかねぇ」

下半身は私が上、
上半身は彼が上のこんがらがった体勢。

「えぇと…重たい、から」

「俺が?睦が?」

…確かに、お互いに乗っかってるや。

「宇髄さんがです」

「俺重たくねぇよ。
睦も重たくねぇだろ?」

しっかり突いている自分の肘に目をやり、
胸がくっついてはいるものの
のしかかっていない事を強調した。

「重たくありません…」

「じゃいいよな、どかなくて」

「はい……?」

堂々と言い切られてしまい
つい、はいと答えてしまったものの…

あれ?
そうじゃなかったんじゃ…

わかっているのに
うまく伝える事ができない。

「手…」

ならせめて
この両手くらい自由にしてもらえないかな…

「手?離せって?」

「こんな、…ここまでしなくても、」

「んー…離したくねぇ時は
どうしたらいい?」

「えぇ、…はな、…」

言い終わる前に、
顔を横に向けて自分の手を凝視めてしまう。
ぎゅっと指を絡め合わされたから。


私が手を繋ぐのが
好きな事を知っててこんな事をするの。


離したくなくなるでしょ。
何も言えなくなっちゃうから…。

「あー…」

私は手をにぎにぎして
手の感触を味わいながら

「宇髄さんは、ずるいなぁ…」

ずっと思っていた事を吐き出してみる。

「ずるい…?」

私が凝視めている手を
同じように眺めながらぽつりと言った宇髄さん。


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