第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.
これを開いたらオワリな気がする。
いやだよ。
絶対におかしな事になっちゃうもの。
明るくても暗くてもする事は同じ。
ひどく甘くて妖しいのだ。
加えていつもと違った態度。
なにを、心に秘めているんだろう…?
いつまでも堕ちない私に焦れたのか
宇髄さんは私の口唇を甘く吸った。
「…ん、」
やめてと彼の胸を押す。
当然、ぴくりともしませんけれど。
私だって、押し戻せるとは思ってませんし。
私が離れたい旨を悟った途端、
妖しく蠢く舌先が唇を割った。
「んん…、」
それを拒もうと横を向いても
宇髄さんは私にぴったりとついてくる。
ぎゅっと歯を食いしばって
それ以上の侵入を許さない私に
宇髄さんの舌先が歯茎の奥まで入り込んで
上も、下も、ゆっくりと舐め取った。
ぞわりと、背筋を何かが上っていく。
「ん、やぁ…っ」
つい発してしまったひと声。
その瞬間を逃さない宇髄さんは
私の下顎を大きな手で掴み
口を閉じられないように固定した。
そうなったら最後、
口づけは深まるばかりで。
ご挨拶代わりに私の舌の上を滑り
上顎を奥から手前へと
優しく撫でるように舐めた。
くすぐったいような感覚が
ぞわぞわと私を追い詰めていく。
抗議の声を上げるものの
大きな抵抗を見せない…というか
見せられない私を
宇髄さんが食べる勢いで貪った。
重なる口唇は深く深く…
舌先をちゅっと吸い上げられて
「んぅ…っ」
快さそうな声を上げてしまう…
自分のものではないような声が
未だに恥ずかしい。
完全に彼の口内へ招き入れられた舌。
逃げられないように甘嚙みされ
くるりと絡ませては吸われて…
「ん、…ふ…」
呼吸がままならない。
でも頭がぼーっとし始めて
ふわふわになって行ってしまう。
さっきの違和感も
もう考えられなくなって…
ただ宇髄さんからの口づけに溺れていた。