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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.






「うん…。あの、宇髄さん、」

「ん?」

「買い忘れた物があるんですけど…
もう1度つき合ってくれませんか?」

「買い忘れ?今無きゃダメなモンか?」

「はい、宇髄さんと一緒に行きたいんです」

「…」

私の誘いに宇髄さんは少し悩んで

「ダメだ」

はっきりと答えを出した。
『宇髄さんと一緒に』
そう言ったら頷いてくれると思ったけれど
私はまだまだ甘かったようだ。

「どうして?」

食い下がると

「今日はここにいればいい。
買い物なら
またいつでもつきあってやるから」

宇髄さんは厳しい表情で硬い声を出す。

「どうしても…?」

「どうしても。俺がいれば
それでいいんだろ?」

もう何も言うなとでも言いたいのか
私の口唇は簡単に塞がれた。


買い忘れた物があるなんて
口からでまかせだ。
そんな物ありはしない。

珍しく宇髄さんの変化に気がついてしまった私が
彼をちょっと試してみようかなと
そう思っただけだ。

私だって彼の行動様式くらい把握している。

いつもなら、
今じゃなきゃダメなのか?って。
しょうがねぇなぁって言いながら
スッと立ち上がるに違いない。

でも今日はそれをしなかった。
ここに留まるように言いつけた…


そこまで考え着いた時
ふと、口づけが止んだ。

「…何考えてる?」

自分に集中していない事が
気に入らなかったのか、
宇髄さんはいじけたような表情だ。

…子どもみたいで可愛いな。

「宇髄さんこそ、何考えてますか?
私のこと……っ」

やっぱり遮られる言葉。

互いの顔が交差するくらい角度をつけて
宇髄さんは隙間を作らずに
頑なに閉じたままの私の唇を
食べるような口づけを繰り返した。



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