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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.






「ほら、落ち着く…」

宇髄さんの身体に身を寄せ
はみ出る所がないように
小さくなってもたれかかる。

完璧な鎧を身につけたようだ。

「……」

「これ、私は落ち着くんですけどねぇ…」

ちょっと失礼な事しちゃったかな?
でも宇髄さんが訊いて来たことなのだ。
私はそれに答えただけ…
なんて言い訳を心の中でしてみたり。

「睦、ちょっといいか?」

ひと言、断りをいれた宇髄さんは
矢庭に私の身体をぎゅっと抱きしめた。


あぁ…これはこれで落ち着くなぁ


私は目を閉じて
その程よい力加減にうっとりと目を閉じる。


すると。


「…睦、悪ィんだけどなぁ」

宇髄さんは小さく身震いをして

「コレ落ち着かねぇわ。俺はそわそわする。
いやムラムラ?」

頭の中が一瞬で真っ白になるような事を
簡単に、言ってのけた…

「……えぇっ、それは…ごめんなさい、」

のそりと
その腕から抜け出そうとする私を

「おぉい、悪くねぇし」

思い切り引き留めて
宇髄さんは真剣な様子で

「いいからここにいろ」

再び抱きしめる。

「…どうしたんですか?」

なんだかやっぱり
いつもと違うような気がして
私は宇髄さんの様子を窺った。

「いや、そっちこそ。
こんなとこ上ってくんの、珍しい」

「………」

私か。

いつもと違うのは。


私は自分が今いる場所をじっと見下ろした。
確かにいつもならこんな事しない。
でも
なんでかな今日は
こうしてみたくなったんだ。

「まだ不安だったりするのか?」

「不安、じゃない」

耳に届いたものを復唱しながら
何の事を言っていたのかを
徐々に理解した。

否定した私は宇髄さんを見上げ

「違います」

ちゃんと言い直す。

「ここに来たから?」

わかってたよ、の笑顔が
私を心を刺激した。
優しい笑顔はいつものまま。
でもどこか淋しげに見えるのはどうしてだろう。


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