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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.











予定は途中で変更されて
私の家に帰るはずだった私たちは
急遽、宇髄邸に足を運んでいた。

荷物はすべて玄関の脇に纏めて下ろしてくれて
手を引かれ辿り着いたのは
宇髄さんのお部屋だった。

いつもならここへ来る前に
私だけ台所に寄りお茶を淹れる所。
でも今日はそれもせずに部屋へと来た。

繋いだ手を離してもらえなかったからだ。

さっきの不安を
少なからず引きずっていたので
私からは離れられなかったというのもあった。


ぴたっと閉じられた襖。
そのまま部屋を横切り
縁側との境にある障子を
広い庭が見えるように開け放った。

「眩しいか?」

「ちょっとだけ…。でもとっても綺麗です」

常緑樹に陽光が当たり
それを風が揺らすから
キラキラと光が散らばって
私の目を心地よく刺激する。

立ったまま
しばらく見入っていた私の髪を
宇髄さんは優しく撫でた。

子どもの時にしてもらえなかったそんな事を
今になって取り戻してもらえているようで

こんな時、私はとても幸せになる。

つい、自分からその手に擦り寄ってしまい
それを受け入れた宇髄さんの手つきも
更に優しいものに変わった。

「…どうしてうちじゃなくて
ここに連れてきたんですか?」

こうして2人で過ごすなら
うちに行っても問題はなかったはずだ。
荷物だってあったのに
わざわざこっちに連れてきてくれたのには
何か理由があったのだろうか…

「…いや、何となく、」

「何となく?」

「こっちの方がいいような気がした、から」

「…そう、ですか」

宇髄さんの言い分を、少し考えてみる。
……

「…嫌だったか?」

少しだけ困り顔になって
宇髄さんが私を両腕の中に閉じ込めた。

——はっ

「全然!その逆で…ここにいられるなら
その方が安心な気がしたから
宇髄さんはやっぱりわかってるなぁって
思ってたところです」


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