第51章 .☆.。.:..密室:*・°☆.
「わかった。びっくりしたな、
もう大丈夫だ。…苦しくなくなったか?」
既に理解してくれていた宇髄さんは
早々に話を切り上げさせて
私の身体を気遣ってくれる。
「ん…だいじょぶ、です…」
鼻から大きく息を吸い込み
僅かに開いた口から
ゆっくりと吐き出した。
「よかった」
「宇髄さん…早かったね、」
「早かった?」
私は大丈夫になった事を伝えるために
くいっと顔を上げて
「すぐにわかってくれた」
きゅっと笑って見せる。
すると宇髄さんも優しく笑ってくれた。
「当たり前だろ?俺を誰だと思ってんのー?」
余裕の台詞。
私が無事だと喜んでくれる人がいる。
それが自分の手柄だと余計に喜んでくれる。
私はそれが嬉しいよ。
「宇髄さんは、最強ですねぇ」
「ははっ、そうだといいなぁ」
「そうですよー」
「睦を守るのが俺の役割だからな」
「私ももうちょっと強かったら
宇髄さんのこと守れるのかな」
広い胸に頭を預け
何となくそんな事を言うと、
「睦が、俺を?」
ちょっと驚いたような声がした。
「うん。やっぱり…変ですか…?」
ちゃんちゃらおかしいって
わかってるんだけどね、
そんな気分にさせられるでしょ?
「私だって、
好きな人守ってみたいんですけどねぇ…」
私じゃあ、無理ですかねぇ…
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。
どうやって守ってくれんの?」
わくわくしている嬉しそうな声につられ
見上げたものの
「どうやって…かは、わからないけど…」
その質問に答えられるだけの
情景が頭の中になかった…
何とも情けない話だ。
なのに
「そうなのかよ」
声を上げて笑って
「じゃあ、この後ゆっくり話聞こうかな」
思わせぶりな仕草で私を誘った。