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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.






「…ずっと
そんなふうに思っていらしたんですか?」

ちょっと心配そうな目が
俺を見上げる。
この角度はまずい。
…場所も弁えずに、
俺のしてぇようにしてしまいたくなる。

届く距離にいるから
これまたおかしな気持ちが
湧き上がってくるのだ。
勘弁してくれよ…


「そうだなぁ…
記念すべき初任務での大コケだから
イヤでも記憶に残るよな」

「初任務!私を助けたのが⁉︎
運命ですよ運命!」

「えー…どんな運命だよ…」

「えッ⁉︎私との出会いに決まってます」

「最悪の出会いじゃん」

「どこがですか⁉︎名前も知らない人に
命を救われて、しかも
こうやって再会できたんですよ⁉︎
こんな素敵な話ってありません」

「お前には…かなわん…」

俺の負けだ。
どうしても悪い方にかんがえてくれねぇ。
良心の呵責ってヤツに苛まれていた
この何年かを返してもらいてぇくらいだ。

「俺を許すのか」

ぽんと、小さな頭に手を乗せる。

「許すも何も…最初から喜んじゃってるのに…」

「なんだぁ?お前は…可愛いなこのやろう」

髪をかき混ぜるように撫でてやると
くすくす笑って抵抗して来た。
腰まであるクセのない黒髪は
日に透けて輝いている。

「あの時、助けてくれてありがとう」

「両親を救えなくて悪かった」

「敵討ちをさせてくれて嬉しかった」

「大切な腕を潰させて、ごめんな」

礼に謝罪で答えると
睦の眉間のシワは
どんどん深まっていった。

おかしなヤツだな。
そんなおかしなヤツが
好きで好きでたまらねぇ。

「それなのに私のこと、
好きになっちゃったの?」

「そうなんだよなぁ。
俺なんかが惚れていい女じゃなかったのに
惚れちまってゴメンナサイ」

ぺこりと頭を下げると
顔が近づいた瞬間を狙い
睦が素早く唇を合わせた。

「……おまえ、」

絶句する俺に
したり顔で

「宇髄さんみたいないい男が
私なんかに惚れてくれて、…
ありがとうございます」

そんな事を言いやがる…


もうダメだ。
我慢できねぇ



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