第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
なんともありがてぇ事だな。
「おかげでゆっくり眠れそうだ」
睦も寝巻きに着替えていて
結局さっきの
ワンピース姿を堪能する事は叶わなかった。
「さっきの、また着てくれるか?」
「えぇっまた?」
「だってあんま見られなかったからな」
「うぅ…また…何かの時に…」
「約束な。あ、」
「え?」
「一緒に風呂、ってのでもいいぞ」
「んー…じゃあ、いつか…」
恥ずかしそうに目線を彷徨わせながら、
それでもはっきりとそう口にする睦。
「…マジか。そんなこと言って大丈夫かよ…」
あまりにも素直に受け入れてもらえて
俺は拍子抜けもいいとこだ。
嬉しいは嬉しいけどな。
俺はベッドの縁にボスっと腰掛け
両腕を開いた。
すると吸い寄せられるように
睦がそこに身を寄せてくる。
それをぎゅうっと抱きしめると
フゥッとため息をついて目を閉じた。
あぁ、落ち着く…
その小さな存在は
俺の心を満たす。
この腕の中にいるのだと思うと
ひどく安心する。
この先ずっと
俺だけのモノでいてくれる事を切に願った。
「音柱様」
「んー?」
「あの、もしかして
このまま…寝ようとか思っておられますか」
「……おられます」
ここまできて離れ離れで眠る気なんかねぇ。
「ほんとに⁉︎す、すごく、困るんですけど…」
「うん。さっきから心臓すげぇもんな」
「わかるんですか⁉︎」
「なめんなよ。俺を誰だと思ってやがる」
「だったら…!」
「やぁだねー」
ガチガチに緊張している睦を
強く抱きしめたまま
そこにごろりと横になる。
「わぁ…っ」
睦は慌てたような声を上げるが
腕ごと俺に抱えられているために
動く事は出来ず、
されるがままになるしかなかった。
黙って布団を掛けてやり目を閉じる。
「1日の終わりを睦と過ごせるってのは
すげぇ贅沢だな」
睦は何も言わないが
視線だけはビシバシ伝わってくる。
「…何か言いたい事でもあんのなら
遠慮なくどーぞ」