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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第10章 知己朋友【ちきほうゆう】








3人でごろりと横になった途端、
睦は眠りにおちた。
こいつは酔うと、更に手に負えない。
普段はどれだけ我慢してんだと心配になるくらいに
わがままっぷりが露呈する。

そんな睦はお望み通り、
俺の腕を枕にして、胸元に頬を寄せ
気持ちよさそうに眠っている。
対照的に、その後ろで睦の腹を抱えて横たわっている煉獄は、ギンギンに目を見開いている。

…酔っているせいか、
いつにも増して目が据わっている…。

「…大丈夫かお前」

「大丈夫だっ‼︎」

「アッホかてめぇ‼︎
睦寝てんだぞ!声控えねぇか!」

小声で叫んでやると
はっと気づいたのか

「すまない。動揺していた」

…だろうな、こんな状況…。
俺は寝心地の悪さに、
今まで座っていた座布団を引き寄せ2つにたたむと
両手が塞がっている煉獄の頭の下に
差し込んだ。

「恩に着る」

「大げさだな…」

「なぁ宇髄よ」

「何だ」

「この娘は、随分と痩せているな」

「てめぇ余計なとこ触りやがったら許さねぇぞ」

「そんなことはしない。
少し心配になっただけだ」

「…色々あって食が細ぇが
それでも食うのが大好きみてぇだし大丈夫だよ」

含みのある俺の言い方に
煉獄は少し考え、

「そうか。宇髄がそう言うならいい」

煉獄はそう言うと、睦の背に寄り添い直した。

他の男だったら、俺も離れろと言っている所だが、
何故だろう
相手が煉獄だと、まったくそんな気にならなかった。
どこかで、おかしな事にはならないと、
絶対的に信頼しているのだろう。

それにしても
睦は気持ちよさそうに寝ている。
煉獄もそれに気づいたのか

「…安心しきっているな」

ぽつりと呟く。
——本当にな。

こいつは煉獄の事が好きだろう。
経験上、相手の感情を読み取る事に長けている睦は
煉獄と出会って、一目で気に入ったに違いない。
負の感情がないからだ。
昼間も、煉獄に微笑みかけられ
心の臓を撃ち抜かれていた事に気づかない俺じゃねぇ。

「安心だろうなぁ。
こんな心強い布団、他にねぇだろうし」

「布団…そうか、俺たちは布団代わりか」

「贅沢な女だなぁ」

可笑しくなってつい笑う。



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