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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.






「なら音柱サマが行かれたらいかがですか」

「俺は俺にしか出来ねぇ任務が待ってんだよ。
そっちで手いっぱい」

私の任務は、私以外にも出来ると言いたげだ。
やっぱりイヤなヤツ!

「私これでも強いんですよ!」

「階級上げられねえヤツが何言ってやがる」

「ぐ…っ…それは、…」

そこを突かれるとぐうの音も出ない。

「ほら見ろ。また俺に意地悪言われるだろ」

伏し目がちに、
正面から腕を回して私の髪をほどき
少しクセのついてしまった後ろ髪を
そっと撫でつけると
数回、手櫛で馴染ませてから左の肩に集めて
そこで編み始めた。

「とっとと辞めてりゃ
こんな目にも遭わずに済んだのになぁ」

「…何ですかそれ。
言わずにいて下されば良い事です」

細やかに動き
私の髪をスルスルと編み上げていく大きな手。

「そうしてると女そのものだな」

「いくら音柱サマであっても
失礼じゃありませんか」

「気をつけろよ」

「え…?」

急に低くなった声に、
何を言われたかと頭の中で反芻した。

気をつけろ…?

「今日の任務だ」

元結で三つ編みの終わりを結び留めると
音柱サマはその毛先を指に巻き付け
弄びながら鋭い視線を私に向ける。

「いつもよりも動きにくいだろう。
着慣れない服装での戦いは絶対的に不利だ。
だが櫻井なら…
小柄な割には大胆な技も使えるし
小せぇからこその身のこなしも期待できる」

音柱サマは、淡々と言葉を紡ぐ。
私を今回の任務に選んだ理由を。

そっか…
単に女装が似合いそうだから、
というわけではなかったわけだ。

「櫻井だから任せたんだ。
自分を信じて、向かい合って来い」

「…はい……」

なんだか、変な言い方…?

向かい合って、来い?

小さく首を傾げると
ふっと表情を崩して笑い

「お前ならやれるからな」

少しだけ淋しそうな声で言った。










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