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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.





って…。

んー…
私、自分が勘違いしないように
したいのかもしれない。

違うって、思いたいだけかも…

…良からぬ想いを
掻き消したいだけなの。

今までだって、
優しくしてくれる人はたくさんいた。
落ち込んでいたら励ましてくれて、
笑わせてくれて…
みんなツラい思いを抱えているのに
支え合いながら絆を深めて来た。

じゃあなんでこの人にだけときめくのか。

さっき、
恋柱様の幸せそうな笑顔を見たからか。
それとも
こんな慣れない格好をしているせいか。

どちらにせよ、厄介なだけだ。

「キレイだなんて、
音柱サマに言われたくありません」

どんな女も見惚れさす美丈夫め。
私は別です。オトコだから。
そうオトコだった!

その前に、志があったんだ。
浮わついた気持ちで、
相手の事を見るわけがなかった。

今は一時的に女の子に戻っているから
気が抜けているんだよ。

「…ま、いい。ほら続き」

音柱サマは気を取り直し紅筆を持ち直した。

あれが、私の唇に触れるんだ………とか!
余計な事ばっかり考えてしまう…!

「べ、紅はもういいんじゃありませんかね」

「じゃ髪にするか?」

「髪…髪結は自分でできます!」

「自分ででも出来んのか」

「は、…はい…ヘンですか?」

しまった、
触られるのがイヤで
つい本当の事を言ってしまった。
結えるわけないじゃない、普通の男の子が
自分の髪なんて…。

「へぇ…妹がいるって昼間言ってたもんな。
お前、器用そうだし…。なら髪は自分で…」

そこまで言った音柱サマは
中途半端に言葉を途切れさせ
私の気をひいた。

まんまと乗っかった私は
何気なく音柱サマに目をやる。
すると、小さく目を見開かせ、

「あ…おい目ぇ動かすなよ?
睫毛が目に刺さってるから」

目に刺さっているという
睫毛を取ろうとしているのだろう、
長い指が私の眼前まで突きつけられた。

「えぇっ⁉︎」

「動くな!」

「はい…っ」

音柱サマの命令に、
瞬時に反応し従ってしまう自分が悲しい。
…でも柱の言いつけは絶対だ。


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