• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.






何を、言った…?
どういう事?

「ぬ…?」

「わかったわかった。
おこちゃまには刺激的だったネー。
はい、腕下ろさない、足踏ん張る!」

「はぁ…」

頭を悩ませていたのを
やめさせようとしてくれたのか
音柱サマは下がりかけた私の腕を
ピッと持ち上げた。

そこからはものすごい速さでの仕上げ。

2周回された帯はぎゅっと強めに締められ
…確かに踏ん張っていないと
持っていかれてしまう力だ。
背筋がピンと伸びて
気も引き締まる思いだった。

その後は、
お太鼓を作っているのだろう、
私には見えなかったが…
たまに前に回って来て
帯揚げを仮で結んだり
また背後にまわって
仮紐をおはしょりの上で縛ったり
何やら忙しくし始める。

私はただ、
自分の周りをくるくる動く人を
ぼんやりと眺めていた。

大きな人が、
細やかに動くな…

そんな、ちょっと失礼な感想。

どんな理由だろうが、
ここまで美しく着付けられるものかしら。
…凝り性なのかな。

帯締めと、帯揚げを結び直して

「ほい」

ピンと張った帯をポンと叩いて
音柱サマは私から引いた。

「後は髪と…」

「このままじゃダメですか?」

「…化粧、」

「しなきゃダメですか」

「…そりゃ中途半端にするより
ちゃんとした方がいいに決まってるからな」

何言ってんの?という顔をして
さっさと化粧道具を準備し始めている。

「…着物だけで充分だと思います」

「気分だ気分」

気分。

そういう理由であるなら
それはもうばっちりだ。

女の子の格好ができる。
それだけでもう既に浮き足立っているのだ。

こんな格好、出来ると思わなかった。
出来ても
あともう何年後の事だろうって、
遠い未来だと思っていたよ。

私はこの胸の高鳴りを、

喜びに綻んでしまいそうな頬を
どうにか抑えようと奥歯を強く噛みしめた。

もぞりと背中を震わせる私に

「ん、着心地悪かったか?」

勘違いの言葉を放つ。

「帯キツくねぇな?」

帯と帯締めの隙間に
少しだけ指の先を差し入れて確認された。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp