第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
「俺そんなヤツに見える?」
「見えない。でも
簡単に言うなって叱られちゃいそう…」
「睦はちゃんと考えたんだろ?
なら自信持てよ」
「ムリだろって言わないでね」
「睦にムリな事なんかねぇ」
「…先生、…」
「んー」
「だいすき」
「んん?」
ははっと笑って、
先生は私の頭を撫でてくれる。
「私もう、先生いたら無敵じゃない?」
「おぉ、やっとわかってもらえたかよ」
先生は満足そうに頷いて
「で?前置きはもういいんじゃねぇの?」
待ちきれないように言った。
「うん…あの、私…先生みたいになりたい」
「あー……へぇ?そうか…ん?
俺みたい?って?」
『?』がいっぱいだ。
先生の顔を見て、
私は自分が言葉を間違えた事に気がついた。
「先生になりたい」
だからそう言い直したのに、
「何言ってんの?俺に?なりたい?」
先生は混乱を極める…
「俺はやだなー…」
「えぇ…?イヤ?」
「だってやだろ。俺みたいになるって何?」
心が滲み出してしまっているくらい
イヤそーおな表情を作り出し
先生は大きく肩を竦めた。
わぁ…
「違うよ!先生になりたいんじゃないの!
先生みたいな先生になりたいの…」
「ほー…お?おぉ、そういう事……」
先生はふわりと頷いてくれて…。
「ややこしいから、
俺のこと先生て呼ぶのやめろよ…」
と前置きしてから
「人の手助けなんて他にも色々あるぞ。
なんで教師なんだ」
「ほんとはね、
カウンセラーになりたいって思ったの。
どこかに脱出口を作ってもらったら
案外すんなり
抜け出せる事があるってわかったから」
私は先生のおかげで、
あの人から離れる事ができたから。
「だけど…
ツラい気持ちはわかってあげられても、
ほとんど人と関わって来なかった私じゃあ
心に寄り添ってあげられないのかなって思ったら
…ちょっと弱いような気がして」
先生は殊の外、真剣に話を聞いてくれていた。