第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
「あと、…私の服は…?」
実はさっきから、
手探りで探していたのに
一向に見当たらないのだ。
これはもう、
ベッドの下に落とされたとしか思えない。
その証拠に、
「……」
先生は何も言わないもの。
…わざとだな。
「私のふくー!」
「何だよ、いらねぇだろ」
「いるよ。自分はちゃっかり穿いてるくせに」
先生は上半身こそ裸だけれど、
下はパジャマ代わりにしているスウェットを
しっかり身につけている…
おかしくない?自分ばっかり。
「お前、俺が
これ穿いてねぇとどうなるかわかる?」
「…わかんない」
「暴走」
「は?」
「……いや、いい」
よくないんですけど。
答えを聞いた方がわからなくなるなんて事ある?
「どういう事ですかー」
「わかんなくていいの」
先生は私の耳に口唇を寄せて笑った。
「寒いから…。先生のでもいいからちょうだい」
「俺があっためてやるから」
そう言って
全身で絡みついてくる。
さっきは脱がせてくれなかったくせに
今度は着させてもらえない…
なんて理不尽なのだろう。
俺があっためてやるとか
そういう事じゃないんだけどな。
「…待てよ、俺のでもいいって言ったか?」
先生は突然、力を緩めて私を覗き込んだ。
「言った」
だって着ていないのだから上は余ってるはずだ。
先生のサイズなら、上だけ着ても
お尻まで隠れるはず。
「可愛いかも」
目を輝かせる先生。
これはチャンスじゃない⁉︎
「はいはい、絶対可愛くなるから着たい」
何でもいいから何か身につけたい。
寒くてしょうがない。
「あ、着ても先生ぎゅってしてくれる?」
「あぁ…してやるけど」
「なら着る」
「急激に可愛くなるんだな…」
感心したように言って
ベッド脇に無造作に置かれていた服を
私の頭にズボッと被せた。
裏起毛…って幸せ…。
両腕を通して裾を下ろす。
…手は出ないけど。
でもこの、身体を包まれる感触が
たまらなく気持ちいい。
ホッとしていると
約束通り、先生は私を抱きしめてくれた。