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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.





「あーあ…泣いちゃった…?」

…むっかつく。

「泣いちゃったよー!だ!」

隠した所ですぐばれる。
それでなくてもこんな至近距離。
なら、
余計な事はもうしません。

「ばかだな…」

途端に優しくなる声は
余計に涙を誘う。

「あいつのモンなんか買うワケねぇだろ?」

わざと名前を呼ばないの…
私があんな事を言ってしまったから。

「そんなの知らないもん…」

あの場にいなかった私には
そんな事わからない。

「買ったにしても、
それをお前にやるようなバカじゃねぇよ」

「……」

それは、そうかもしれない。

中古っていうだけで
違和感を覚えたくらいなのに
人から直接買ったもの、…
しかもナギリのものなんて
私に寄越すはずがない。

…私がナギリを
得意としていない事くらい
先生は見抜いているだろうから。


顔だけ下を向けた私の髪を
耳に掛けるみたいに後ろへ流しながら
先生は優しくそこを撫でてくれる。

既に身体が冷え出した私にとって
その手はとても心地いいものだった。

こんな気持ちを抱えているくせに
イヤじゃないとか
そんな矛盾が私を蝕んだ。

振り払えもしないのか…

『好き』って、厄介だなぁ…。

「あいつの実家が
そんな店やってるからな、
ちょっと手ぇ借りただけだ」

「だからこそこそしてたの?」

「こそこそってお前…そりゃ、
せっかくプレゼントするなら
びっくりさせてやりてぇと思うだろ」

「その割には不用心だったね。
私が来る直前に、その場所で犯行に及んでたわけ」

「犯行ってなんだよ。
やましい事はなんもねぇぞ」

「私と鉢合わせしないようにしてた」

「はぁ⁉︎鉢合わせって…
お前言い方考えろよ…。だからそれは、
そのネックレスがバレねぇようにだろうが」

先生はもうため息しか出ないらしい。
呆れ気味にそう言って
私をぎゅっと抱きしめた。

そうして
私の気持ちを鎮めるように
肩にそっとキスをする。

でもそんなの逆効果だ。
ぞぞぞっと全身に鳥肌が立った。

大きく肩を揺すって拒否した私に
先生は驚いて顔を上げる。


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