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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第10章 知己朋友【ちきほうゆう】








とんとん、と、腕をつつかれ意識が浮上する。

「睦さん睦さん、カゼひきますよー?」

可愛らしい声に目を開くと、
須磨さんが覗き込んでいた。

「!」

私は自分が眠っていた事に驚いて身を起こした。

「起こしてごめんなさい。
お正月にカゼで寝込むよりは
いいかと思いまして…」

ちょっと申し訳なさそうにいう須磨さん。

「いえいえ!起こしてくれてありがとうございます!」

寝るつもりなんてなかったのに、
よっぽど疲れていたという事か。
今日は早く寝よう…。

「そうそう。
今日は食糧をたくさん持ってきたんですよ!
天元様に持ってくように言われまして…」

座り込んでいる須磨さんの後ろにはたくさんの袋。

「…そんなに⁉︎」

「はい!明日からは何も買わなくて済みますよ?
黒豆に昆布巻き、大きな海老もありますよ!」

そう言って見せたのは、
須磨さんの両手より大きな伊勢海老。

「えぇ⁉︎」

「それから鯛でしょ、あ、数の子もありますし。
雛鶴さんが作った伊達巻もあるんですよ?」

…待って待って…

「あとは、まきをさんがお蕎麦を打ったし、
それにホラ!」

須磨さんが嬉しそうに取り出したのはお鏡餅だ。

「これだけあれば心配ないでしょ?」

どや顔の須磨さん。


「…あの…」

「あ、大丈夫です!
明日から3日間の食材もちゃんとあります。
魚介もお肉もあるので、お好きなようにどうぞ!
お鏡餅、どこに置きましょう?
これ、天元様がついたんですよ、
私は返し手をしました!
天元様がつくと
とってもおいしく仕上がるんですよねー」

うきうきで、お餅置き場を探し
キョロキョロする。
いやいや…

「須磨さん、あの…ちょっといいですか?」

私の少し冷めた声を聞いて須磨さんがハッとする。

「…何でしょう…?
お米なら持って来てません」

「…そんなこと言ってませんよ…。
あの…私1人だというのにですね、
食材の量が多すぎやしませんか?
しかもどれも高級すぎて…」

だって、あの鯛の大きさと言ったら…。
私がおずおずと言うと『ああ!』と
にっこり笑った。




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