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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第10章 知己朋友【ちきほうゆう】




「私、迷子になって…」

「…迷子になるな」

「…えぇ?」

話しの途中で無茶な事を言い出す。

「なっちゃったんです!
それをね、助けてくれたんです」

私は無理やり話しを終わらせた。
ぎゅうっと潰されるかと思うくらい力を入れられて

「俺の睦を、煉獄が?」

わざとらしく言った。
自分以外の人が私に関わると…
特に私の危機を救ったとなると
人が変わったように機嫌が悪くなる。
普段は寛容なのに…。
何で急に子どもみたいになるのかな…。
…私も、人のことは言えないけれど…

「あなたの睦が煉獄さんに
助けて頂きましたよ?
お会いしたらお礼、言っておいて下さいね」

穏やかに済まそうと、
私がそんな言い方をすると
宇髄さんは面食らったようだった。

「……わかった…」

私の顔を眺めて押し黙る。

「睦も言うようになったな…」

感心したように言うので可笑しくなった。

「元気のいい健やかそうな方ですね。
どこを見ているかはよくわかりませんでしたけど
正義感が強いというか…」

昼間の事を思い出してみる。

「そうだな。あいつはすげぇ」

あら。

「宇髄さんが褒めるほどなんですね」

珍しい。
私の方こそ感心していると、
宇髄さんは稀に見る晴れやかな笑顔を見せた。
2人は仲良しなのだろうか。
盟友を褒められて、とても喜んでいるように思えた。
この人が喜ぶ事ができたと思うと、
私もとても嬉しくなる。

…大概、単純な私。













年末は忙しい。
何がと言われるとよくわからないが、
とりあえずやることがたくさんある。

畳もあげて、障子も張り替えて。
普段はやらない事が目白押し。
でも今年の汚れを全て落として
新年を迎えるのは、とっても気持ちいい。

お店の大掃除は終わらせてあるし、
今日で家の方も終わりだ。
明日からは食糧の調達かな。

ぴかぴかになった部屋で、ごろりと横になる。
あぁ、疲れたなぁ…。




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