第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
「ん…かっこい…だいすき、」
まだそんな事を言ってしまう私。
「おーおー…ヤケに素直だな睦」
俺は嬉しいけど、と続けて
ホントに嬉しそうな顔をする。
「先生が、愛してくれてるって思うと…
すごく安心できる。
あんなふうに抱いてくれたから、
なんにも、怖くない…」
「…ずっと愛してたんだけどなぁ」
「え″…まぁ…うん。でも…ほら…」
あぁ、うまい言葉が見つけられない。
「くくく…真面目だな睦。
そんなに何でも真に受けなくていいのに」
どうやらただの軽口だったらしく
先生はカラカラと笑ってくれた。
なんだ…
「あんなふうに、
優しくしてくれた人いなかった…」
先生だって
早く自分の欲を満たしたかっただろうに
体勢を変えるごとに
痛まないか、苦しくないか、イヤじゃないか…
そんな気遣いを常にしてくれた。
私が頷いて見せるのに
それでもゆっくり様子を見ながら動いてくれて、
…すごく大切にしてもらった記憶しかない。
身体を辿る優しい手の感触と、
私の奥に植え付けられる深い想いと…
耳に届く甘い囁き。
好きだとか、綺麗だとか
私の全てを肯定してくれるものばかりで。
コンプレックスだらけの心を…
温かく包み込んでくれた。
「それが愛ってことだ。知らなかっただろー」
「知らなかった…」
「俺は睦のこと愛しちゃってるから
優しくも気持ちよくもさせてやれんの。
俺にしか出来ねぇし、」
言葉を途切れさせた先生を凝視めると
「俺にしかさせないでくれな…?」
そっと、私の心を揺するような
何とも愛しい事を言った…。
先生は、男の人で、オトナで…
フツーにかっこいいし優しいし…
私はいつも甘やかしてもらうばっかりで。
漠然と…好きだなぁとは思っていた。
好きっていうのもよくわからないくらい
ヒトに興味がなかったのに。
この愛おしい気持ちはどこから来るんだろう。
何で先生は、特別なのかな…
「先生は…」
私の上に乗っかっている人の前髪を
ツイツイと弄んでみる。
好きなようにさせてくれる先生は
ん?と目を上げるだけ。