第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
「…睦ちゃーん」
気遣わしげな声と共に
耳元へと先生の頬が擦り付けられた。
………
「…あれ、…睦?」
とんとんと背中を掌で優しく叩かれて…
それでも私が無反応である事に
本気を出して心配を始めたようで…
「おい睦?寝たのか」
私を覗き込もうとして
少しだけ顎を引いた。
先生の首に強く抱きついた私。
お互いの顎をお互いの肩に乗せているので
顔は、見えない格好だ。
やっと溶け合った体温。
吸い付くような肌を合わせているのが
心地よくて、
そこから離れたくなくなっただけで、…
でもそうとは知らない先生は、
「俺なんか悪かったか。
あー…ヤりすぎた?どっか痛かった…
いや、んー…しつこかった?
あ、もっとしてたかった…は、ねぇか。
どっかツラいのか…」
狼狽えたように
自らの行動を振り返り並べたてる。
……それ、…全部当たってますね。
だけど、ひとつ足りないの。
「睦、なぁ…何とか言えよ、」
私の答えを誘い出すために、
小さく身体を揺すった。
「…ん、」
短い返事。
わざとじゃないよ。
声なんか出ないんだよ。
その掠れ具合に、何かを感じ取ったのか
先生はそれ以上問い詰める事をやめて
私の肩に口づけをし始めた。
さっきまでの余韻を引きずっている私には
そんな小さな行為でも充分心地よくて、
首を傾け『もっと』とでも言うように
そこを差し出してしまう。
その様子に気を良くした先生に
カリ、と首の付け根を甘嚙みされて
「…ふ…」
小さく吐息を漏らし、
銀に輝く髪を両腕で抱え込んだ。
危うく、また火がついてしまいそうな自分を
何とかごまかそうと身をよじる。
さっきは差し出しておきながら
随分と勝手だけれども…
だって、もう何回した?
感じやすくてすぐに達してしまう私と、
体力温存のために吐精を堪える先生とでは
明らかな差があって…
それ抜きにしても
先生はもともとタフそうだし、
私は体力を欠いている。