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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.





俺がキスしても逃げたりはしない。
…という事はイヤではないはずなのに、
それでも決して自分からは来ないのだ。

完全なる受け身。
なのに、意識のない時になら
こんなに素直になるわけだ。

なんだ…
キス、好きなんじゃん…?

ちょっと安心して、調子に乗った時
睦の身体がビクッと跳ねた。

あれ、と思った瞬間、
俺の身体に腕を立て思い切り背を反らす。

「…っ…なに⁉︎」

忙しなくまばたきをして、
頬を真っ赤に染めた。

本格的に目を覚ました睦。
寝ぼけていた時の記憶は
まったくなかったのかと不思議に思う。

…それにしても、未だにこの反応。
そろそろ慣れてくれてもいいんだけど。
俺にとっては、当たり前にしたい。

夜、同じベッドで寝る事には成功した。
もう日課になった。
だから次は、キスかなぁと
勝手な事を思っていた。

「はよー、可愛い睦ちゃん」

「……おはよ、」

何か言いたげに俺を見上げる。
まるで俺を責めるような、
…疑うような…?

「…なによ、その目は」

「別に…」

「可愛く甘えて来たと思ったら、
まだ半分夢ん中みてぇだったから
おはようのキスをしてやったまでだけど?」

「そっ、そのようですね…」

自分の唇に指の付け根を押し当てて
照れ隠しなのか、少し俯いた。

多少の記憶はあるらしい。

よかった。
覚えてるのが俺だけなんて淋しすぎる。

「目ぇ覚めたか?」

オマケに、睦の髪にキスをすると
くすぐったそうに身をよじり

「ん…覚めた…。いい匂いだね、」

誤魔化すかのように呟いた。
……

「花の?」

「えぇ?花?」

顔をしかめてこちらを見上げる睦。
それが可笑しくて俺は少し笑った。
今度は違ったようだ。

あーあ、醒めちまったのかー。

「いや、こっちの話」

「?」

しきりに首をひねる睦に

「ほら、顔洗ってこい。映画遅れるぞ」

今度こそ洗面所へと促したのだった。






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