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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.





「よしよし」

そうして私の背中をぽんぽんしてから
また目を閉じてしまう。

その余裕が憎らしいのに心地いい。
矛盾は私の心を蝕むのに
だけどどこかホッとして…

だから、


私ももう寝てしまおう。
だって明日が楽しみなんだもん。

昨夜みたいに、寝るのが嫌じゃないし…


最近、寝不足だったのも手伝って、
私は多分
目を閉じた瞬間に眠りに落ちていた…。
























卒業をあと1週間後に控え、
睦の情緒不安定の度合いは
明らかに増していた。

やっぱり環境がガラリと変わるからか?
いくら睦と言えど
その辺りに不安はあるのだろうか。

夜、寝付きが悪いのに加えて
寝起きも悪いし、心なしか機嫌も悪い。

まぁ、寝るのが遅いわけだから
その分起きるのも遅くなるのは
当然なのかもしれないが、
それにしてもどこかが違うのだ。


もともと進学をする気なんかなかった睦。
卒業と共に仕事を始めようと
焦って求人サイトを検索し始めるから
もっとゆっくりじっくり決めればいいと、
いつもの調子で余計な口出しをしてしまった。

きっと、俺の所に転がり込んだりしなければ
ここまで焦ったりはしなかったんだろう。
金銭面で、
いつまでも俺の世話になるわけにはいかねぇと
そのせいで焦り出したに違いなかった。

でも俺としては
睦の世話焼けんのなんか
願ってもいねぇ事だし、
むしろもっと世話焼かせろと
申し出たいくらいなわけで…

だから、良かれと思って言ったあのひと言が
もしかしたら睦を
逆に追い詰めたのかもしれないと思うと
やっぱり余計な事をしたなという考えが
拭い切れなかった。


フライパンの上。
綺麗な円形に広がっていく生地を眺めながら、
ホットケーキすら辛気くせぇ味になりそうな
…そんな事を俺は考えていた。


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