第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
明日が来るのが楽しみ、なんて
今までに1回もなかったんじゃないかな…
特にこのごろは、
あの事が気になっちゃって
このまま寝たら朝になっちゃうんだと
気がおもーたかったから特に。
それが、たったそれだけの事で
気持ちが軽くなったのだから笑ってしまう。
「…笑いやんの、」
嬉しそうな呟きが頭の方から聞こえて来る。
つい顔を上げると、
やっぱり嬉しそうな笑顔がそこにあった。
「最近、夜になると表情失くしてたもんなぁ。
怖ぇ夢でも見てんのかって思ってたけど
魘されもしねぇし…
なんか不安な事でもあったかって心配だったが
今の感じなら……大丈夫、か?」
「……心配?させてた?」
そんなに…?
先生がそんなになるほど、
私違ってたかな。
ていうか、私が魘されるかどうか、
見ていてくれたってこと…?
ものすごい罪悪感が湧き上がってくる。
まさか理由なんか言えるはずもなくて
私は戸惑って、
何か告げなくてはと目を泳がせた。
「そりゃするだろ?
あからさまに態度が急変するんだから」
「ごめん…そんなつもりなかったんだ、」
「最近、寝つきが悪かっただろ?
なんかあったか?」
大きな手が前髪を掻き上げて
そこにキスをする…
「…っ!」
必要以上にビクついた私に少し驚いて、
先生は口唇を離した。
「どした…?」
「え…っ…ちょっと、びっ、くりしただけ…」
先生曰く、いつも通りの
『へったくそな言い訳』だ。
自分でだってわかってる。
咄嗟に、うまく誤魔化す事ができないの。
私は、自分は割と淡白だと思っていた。
誰に何を言われても
冷静に…、クールに対応出来ると思っていた。
それは、今まで相手にして来た男たちに
そうする事が出来ていたからだ。
母親からは、
もっと愛想良くしろと散々言われて来た程。
なのに。
なのにだよ。
先生に対してはそれが全然できない。
おかしいと思うんだよ。
先生が発するひと言ひと言には
事細かにいちいち反応してしまうし、
それなのにうまく言葉が出てこない。
気持ちをごまかすのだって
照れてしまって出来ない状況だ。
おかげで本心がダダ漏れ…