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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第47章  .☆.。.:..渾然:*・°☆.





「甘露寺は元気だろ?
あいつのお裾分けなんだ、
睦も元気になれたらいいな…」

私の頬に自分のそこを擦り付けて甘える。

「食い物は、元気をくれるんだろ?
俺のために元気出せよ…」

祈るみたいな物言いに、
やっぱり私は元気ないんだなぁと
再確認させられた。

うまく、がんばれていたと思ったのに…

「この俺をごまかせると思ってるとこが
まだまだ可愛いよな…」

「あーあ…」

あー…?
可愛いって言われたかなぁ?

でも今それどころじゃないや。

やっぱりごまかせなかった事に
疲れが一気にやってきた。
がんばってもごまかせないのなら
がんばる必要はないような気がするし。

私は彼の肩にグタッともたれかかった。

「お…っ、どした…!」

「…もういい…」

「なにが」

「がんばらなくてもいいですか…?」

「…俺がんばれなんて言ってねぇぞ」

こつんと頭をぶつけられる。

「言われてませんけど、
がんばってたんだよぅ。
もういっぱい泣かせてもらったし
元気っぽくしてたのに…
バレちゃうならがんばらなくてもいいかな…」

「…そっか。
俺のためにがんばってくれてたんだな、」

少し陰ったような気がした。
背中に建物を感じる。
縁側に辿り着いたのだろう。

ふわりと少しだけ浮き上がる身体。
するとぴたりと足を止めた宇髄さんが、

「……睦、」

真剣な声がした。

…でも顔を上げる元気はなかった。

「着替えはできそうか」

そんな力があると思うの…

「できるなら、その間に蜂蜜持ってきてやろ」

私の力を引き出すためか
わざと蜂蜜の話なんかを持ち出すけれど
そんなの無理ですよー…

「前に来た時に置いて行った着物があるから
…タオル持ってくるな、」

板の間に降ろされる予感がして
私は強くしがみつき直した。

「俺もびしょ濡れだから、」

なんとか私を諭そうとする。
でも、無理かもしれない…

小さくかぶりを振ると、
宇髄さんは大きなため息をつき、

「…俺のせいみてぇだなぁ…
だってお前の本音を、
俺が見抜けねぇワケがねぇだろ?」

「もう、心配かけたくなかったんだよぅ…」


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