第47章 .☆.。.:..渾然:*・°☆.
……それ、独り言にする必要あんのかな。
すっげぇ答えてやりてぇんだけど、いいか…
いやまた
独り言なのにって叱られるかな。
でも、
「お前の気が済むまで、こうしてような…」
耐えられずにそう言ってしまったが
睦は特に何も言わず、
小さく笑っただけだった。
山の中だってのに
ここはまるで体温と同じくらい暖かい。
日も落ちてるというのにだ。
このまま眠ったとしても
大丈夫なんじゃねぇかなと思ったりして。
だって多分、
布団に入って、いざ寝よう!と
そんな気にはなれねぇはずだ。
知らないうちに眠りに落ちている…
そんな状況が理想的。
「…ここ、あったかいねぇ…
宇髄さんがいるからかなぁ、」
半分寝ているような話し方だ。
…委ねちまえばいいものを。
「ここに来たらもっとあったかいぞ」
あったかいと、きっとよく眠れる。
そんな思いを込めて
ポンと膝を叩くとぴくりと反応し
どうしようか迷った末に、
無言のままもぞもぞと動き出し
きっちり俺の膝の上に乗っかって来た。
俺に対して垂直に…つまり横抱きの状態で座り
腰をひねってこちらを向くと
きっちり胸の中に収まった。
……素直だな。
よっぽど疲れていて、眠たいか。
睦の身体を囲うように腕を緩く回し
自分の指を組んだ。
睦はただ目を閉じてじっとしている。
そういえば、茶は飲まなくてよかったのか。
腹は…減るわけがねぇな。
無理やりにでも飲ませたいところだったけど
…眠って体力回復が先か。
お疲れさん
優しい香りに誘われて
私は瞼を開けた…
温かくてちょっと固い…
そこにもたれかかるようにしていた身体を
起こそうとしたけれど
凝り固まっていたのかすぐには動けず、
仕方なく頭だけゆっくりもたげると
縁側の壁に深くもたれたまま、
私を抱えて眠る宇髄さんがいて…。
彼の羽織で包まれて、その上から
優しく抱きしめられていた。