第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
「…ムリ、してんじゃねぇの?」
そんな気がしてならなかった。
その笑顔の裏に、感じている不安を
押し隠しているんじゃねぇかって、
そう思えて仕方ない。
「…ふふ…さすがです…」
眉を下げ、降参の構えを取る睦。
そうだろうとも。
俺がどれだけ、お前を気にかけてるかって。
「でも最初だけですよ、」
「最初だけ?」
「はい。最初はね、笑ってごまかしてました。
最初って、さっきうちに行った時ですよ?
やっぱり不安で…何かあったらどうしようって
ずっと思っていたので。
だけど宇髄さんが一緒にいてくれて、
わざわざ桜を見に連れて行ってくれたでしょ?」
睦はきゅっと手を握り直して、
側頭部を俺の肩に軽くぶつけた。
「あの時…宇髄さんがいてくれたら
きっと大丈夫だなぁなんて勝手な事を
考えたりしたんです」
「……」
それは正に、俺がさっき思った事だ。
俺が隣にいればそれでいいと
そう考えてくれても全然いいぞと
桜と戯れている睦を見ながら思っていた。
まさか本当にその通りだったとは…
もう感動モノだ。
「宇髄さんにはご迷惑かけてるかもしれません。
でも私は、すごく救われてるし、幸せなんです」
「迷惑なんて事ねぇっての」
もたれている頭を押し返すように
睦の方に身を寄せると
くすくす笑って押し返して来る。
周りに誰かがいねぇってのはいいな。
こうやって
思った時に思った事を
睦が話してくれるから。
「わかってて言うかね」
俺が迷惑だなんて思わねぇのを
こいつはそろそろわかっているはずだ。
「わかってるようなわかってないような、
なんですよー」
「あぁ、お前の悪いクセか。
もう我慢なんて要らねぇのに」
「我慢しなくなったら終わりです」
「極論はな。でもそれ、俺には通用しねぇから。
睦は俺に我慢する必要ねぇ、
って事なんだからな。でも他はだめだぞ」
「他、?」