第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
「んー…ごめんなさい、」
へへへと笑う睦。
これはわかってねぇヤツだ。
また同じことするんだろうなー…
「ま、…俺が気付けばいいだけの事か」
「……」
そう聞いた途端に
頬を緩ませて笑った…
そんな顔見られるんなら、
いくらでも頑張れるって。
「やっぱり甘えさせてくれるんですね」
「またまた…睦が
甘え上手なんだよ、」
「えぇッ⁉︎私甘え方なんて知りませんよ」
「本気で言ってんのか?」
「本気です。
私が甘え方なんか知ってると思いますか?」
ガキの頃から
それはキビシク育てられ出来た睦。
甘えさせてもらった事なんか皆無だろう。
…でも、じゃなんだよコレは。
俺にはすげぇ甘えてくるだろ。
なんだ、俺だけか。
そうだよな、俺にだけだ。
…それがまたたまんねぇんだって。
しかも自覚ナシ。
もしくは、アレらが甘えるという事だと
知らないままいるって事か?
まぁいいよ。
どう見たってこいつが甘えられんのは
今のところ俺だけみたいだし
まっったく文句はねぇ。
「そのつもりでいるんならそれでもいい。
もう俺は、お前には敵う気ィしねぇし」
「どこがですかぁ…?」
しきりに首をひねる睦の手を引き
歩いて行くうちに、
1度、町中の人通りの多い場所に出た。
そうすると、
睦は居心地悪そうにし始めて…
俺としてはそのままでも
一向にかまわなかったが、
こいつの性格を考えれば
とてもじゃないが人の視線に耐えられない筈で
…
というわけで
仕方なく、繋いだ手を解放してやる。
睦の事を考えればだ。
決して離したかったワケじゃねぇ。
俺は、睦となら
何を言われようと
どんな目で見られようと
まったく気にはしねぇけど。
女の睦にとったら
そんなに簡単にはいかねぇよな。
はしたない、とかなんとか
思われたりするんだろう。