第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
「おぅおぅ、俺がついてるって」
しゃがみ込んだ睦の前にしゃがみ込み
よしよしと背中をさする。
俺がいようが誰がいようが
緊張するのはわかる。
自分ちは、自分だけの安全地帯。
それを誰とも知れねぇ野郎に
侵されようとしているわけだから
怖くて当然だ。
それでも、そう言ってやるしなできなかった。
情けないことだ。
睦は少しだけ落ち着いたのか
顔を上げて少しだけ笑う。
「…ありがとございます」
「もういいのか?」
「うん……ずっとでも、いいけど」
「はいはい、お前がそんなこと言ってたら
俺らいつまでも終われねぇだろ」
お前が止めるから止まるのだ。
俺だけだったら無理だし
睦が俺化したら
そりゃもう抜けられない迷路みたいになる。
「終わらなくてもいいと思ったりして…」
「困ったヤツだなー」
俺をこんなに喜ばせるとは。
「それは宇髄さんも同じですよー」
そうだな…
2人で笑い合い
やっと動けるようになった睦を促す。
一緒について部屋まで行ったが
荒らされたり漁られた形跡はなかった。
戻る頃には
すっかりいつも通りになっていた睦。
俺もひと安心して
来たとき同様、手を繋いで
俺は片手に睦の荷物を提げて
会話をしながらゆっくり歩いて帰った。
何気ない話に笑いながら、
この状況をどう打破しようか考えていた…
このまま、自宅に帰れなくなるのは
睦の本意ではないだろう。
俺は、全然構わねぇけど。
それなら、何とかしてやらなくてはならない。
今まで通りに
安心して帰れるように。
だがどうすればいい?
俺が、あそこで待ち伏せしてりゃいいのか?
でもきっと、
睦が自宅に戻っていねぇ事は
もう犯人にバレただろう。
てことは、今更あそこで待ち伏せた所で
あまり効果を得ることは出来ないだろう。
…じゃあどうするんだ。