第46章  .☆.｡.:.贖罪。.:*・°☆.

どこかで予想していた通り、
突如として現れた宇髄さんの『病気』。
こんなふうに
ひと組の布団の中で身を寄せ合っていたら
そんな気を起こしたって不思議はない。

これでも最近ね、私にもちょっとだけ
わかるようになったんだ。

愛する人と触れ合う喜び、
とでも言うのか…
そういう事をするイミっていうか…

今までは、
求められるから受けていた所があって、
そこに私の意思はあまりなかった。


言葉では言い表しにくいけれど、

この人と一緒にいると
抗うこともできずに湧き上がってくる
愛情というか、
どうしようもない激情というか…

そういうものを私も抱えているのだと…
…抱えられるようになった、
と言った方がしっくりくるかもしれない。

ようやく私にも、
この人の背中が見えてきたといった所だろうか…


私がやっと見つける事のできた感情。
それを率直にぶつける事ができるあなたが
とっても羨ましいよ。
私はまだ、そこまで行けないから。

黙りこくってしまった私を見て
何かと勘違いした彼は

「俺だって、誰彼構わず
自分の気持ちを曝したりしねぇ。
相手が睦で、
お前なら受け止めてくれると思うから
こんなふうに話すんだ…
睦には、どうしても甘えちまうのよ」

なんとも嬉しい言葉をくれる。

甘えるだけではなく、
甘えてもらえるのがこんなに幸せだなんて
生まれて初めて知った。

『睦には』と言ってくれた。
私にだけという事でいいのかな？

それは、私でなくちゃダメってこと…？


そう言ってもらえるのが
どれだけ大きな事なのか
私以外の誰にもわかるはずがない。

「…あれ？機嫌よくねぇの…？」

「ちがう…」

その真逆です。

「体調…？」

「すこぶる元気です」

はっきりと答えた私に、
宇髄さんは安心したのか優しく微笑んだ。

「じゃなんで、」

私の眉間に彼の唇が触れる。

「難しい顔してんの？」