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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第46章  .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.





…褒められた。

嬉しいけれど…
褒められるような事だったのだろうか。

そんな小さな疑問が湧いたものの
宇髄さんはご機嫌なご様子だし
少なからず私も嬉しくなったし…

言及するのはやめておいた。

「朝メシ食い終わったらすぐ行こうな」

「そんなにすぐでなくても大丈夫ですよ」

「いや、早く行きてぇの。
今からでもいいくらいだ」

「えぇ⁉︎」

まだ真夜中だというのに…

……あれ、もしかして…

「…そうだよ。
お前連れて歩くのが嬉しいんだ。悪いか」

少し照れたような物言いが
私の心をくすぐった。

この人のこういう所が
私の目を惹きつけてやまないのだ。

「…私も、宇髄さんとお出かけできるの、
すごく嬉しいです」

だから私も、恥ずかしげもなく
こんな事を言えてしまうんだろうな…。

「早く明日になるように早く寝るか…
…それとも…」

はい、と返事をしかけたのに、
まだ先があったようで…

「時間も忘れて、愉しむ…?」

「は……」

その返事を、よくぞ踏みとどまったと
自分を褒めたくなった…

なんだって…?

「…宇髄さんは、お疲れですよね…?」

さっきの宇髄さんのひと言で
休む気になっていた私は
呆然としながらも何とか言葉を紡ぎ出した。

「俺?俺の疲れなんか
睦の顔見た途端に消滅するから」

「…そういうことじゃなくて、」

「じゃどういう事だ?俺にとって
睦に触れることは
何よりの癒しになるんだけど」

「何言ってるんですか…」

間違えた。
なんて事を言うんですか、だった。

いや、さほど変わらない…?

「何って……」

目の前にいる宇髄さんの雰囲気が
突然変わった…
一気に、色を纏ったような…

「睦を抱きたいって言ってる」

自分の胸と掌に挟んで
温めてくれていた私の両手をぎゅっと握り込み
宇髄さんは熱いひと言を放った。


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