第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
底無しに明るい須磨さんを
わざと置いて行ってくれた。
「うん…ありがとうございました…
支障ありませんでしたか?」
1人分の戦力を失ったのだ。
宇髄さんたちにとっては
大打撃なのではなかっただろうか…
「問題なかった。俺様は、強いからな」
優しい目のまま、
口元だけをニヤリと笑わせて
宇髄さんは自信満々に言ってのけた。
「ふふ…」
図らずも笑ってしまった私に
宇髄さんも満足そうに
にこりと微笑んだ。
「夜は冷えるな、…お邪魔しても?」
そのまま私の上掛けの端をめくった。
「あ…はい、」
返事をしてから
ふと隣を見遣る…
あなたの布団、敷いときましたけど…
などという野暮な事は申しません…
私を怖い夢から解放してくれたこの人への感謝と
この不安をなんとかしたい甘えから
私は素直に、自分に充てがわれた布団に
彼を招き入れていた。
「…このあったかーい布団の中で、
お前の足はなんでこんなに冷てぇの?」
私のつま先を、足の裏で器用に包みながら
宇髄さんは不思議そうに首を傾げる。
「どうしてでしょう…」
身体の真ん中は温まっているのに、
足先や手先はどうしても冷たいままだ。
だけどそれはいつもの事で…
「ほら、手も…」
そんな事は百も承知の宇髄さんは
強引に私の両手を奪い
自分の胸元に押し付けさせる。
夜着越しだというのに
その温もりは充分に伝わって
冷え切っていた私の指先は
急激に血行が良くなったためか
じんじんと痛むほどだった。
「…冷たくありませんか?」
これだけ私が暖を取れるという事は
逆に彼には
この冷たさが伝わっているに違いない…
「こんなもん、冷てぇうちに入らねぇよ」
そんな宇髄さんらしい言葉を
サラリと言ってのけた。