第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
熱い舌が
上顎を優しく撫でる度に
甘い声が漏れた。
だけど、
私が溺れてしまいそうになると
激しさから解放されて、
意識を保った所でまた深められ
それを繰り返される私はもうふらふらだ。
「…っ」
ゆっくり離れた口唇に
少し淋しさを感じつつ目を開くと
額をこつんとぶつけて
「ずっと、…こうしてたい」
ため息混じりに言う宇髄さん。
…私もです。
「声、出せそうか…?」
頬や目尻に口づけを繰り返しながら
私を気遣ってくれる。
…そうだ、私の話しを聞いてくれるんだった。
私が忘れかけているなんて
あり得ない事態だ…
だって、こうして溺れているの、
とっても心地よかったんだもの。
「…こら睦」
無意識に宇髄さんに擦り寄っていた私を
優しく窘めて、
「気になる事があるんだろ…?
こうなったのは俺のせいだけど…」
それでも小さな口づけをくれる。
「んー…、」
甘えて、尚も擦り寄る私の
首の付け根を甘嚙みし始めて、
2人してうつ伏せて肘を立てる体制だったのを
長い片腕が私の背中を囲うように伸び
逃げないように固定した。
「話さなくていいのか…?」
「ん…はな、す…」
「ん、何だ?」
放ち髪をよけて
うなじに到達する歯先の刺激が
私の思考を奪う。
声も、何とか出る…
だけどこのまま身を委ねていたいな…
「睦ー…後から泣く事になるぞ。
これでも待ってんだ、早く話せ」
「話すから、まって…、」
このままじゃ話せない。
「やだな…このまま話せよ、」
「ムリ…だよ、…溺れちゃう。息できない」
「え?俺に溺れちゃうの?」
「いろいろ…」
「かわい…っ」
「もう、…そればっかり、言い過ぎ!」
「あーもう今日寝らんねぇわ俺」
どういうイミか聞くのが怖い。
深く頷く彼が
私から少し離れたのを好機とし、
「誰かに見られてるみたい」
さっきはうまく伝えられなかった言葉を
もう1度繰り返した。
それを聞き届けた宇髄さんは
ピタリと動きを止める。
ついでに表情も固まって…