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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第46章  .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.





——だめだめ。
私はすぐに流されそうになるんだから…

だけどこんな事…
宇髄さんとならいくらでもしていられるし、

していたいなぁって思うんだ…

おかしいのは、宇髄さんなのか
はたまた自分の方なのか…
もう、わからない。

そのまま身を委ねそうになるのを何とか堪え
私は口を開き、スゥッと息を吸った。

「…れ、に、ぃられて…ぃたい」

「………」

「………」

私たちは目線を絡め合って…

「ぷ」
「ふふ」

同時に吹き出してしまった。

声が出せないにも程がある。
どうしたらこんな無様な事になるのだろう。

あまりの滑稽な話しっぷりに
私たちはしばらく笑っていた。

「あー…悪ィ…ちょっとひでぇな、
俺のせいなんだけど…
それにしてもそこまでとは…」

涙を拭き拭き、宇髄さんは
まだ溢れてくる笑いを押し殺す。

「ぃ…の…っふふ、」

「とりあえず水でも飲むか」

私の上から降りた宇髄さんは
枕元の水差しからコップに水を半分ほど注ぎ
私に差し出してくれた。

うつ伏せになりモゾモゾと肘を立てる私を
黙って眺めていた宇髄さんは
おもむろにコップを煽り
私の後頭部に手を添えた…

あ、と思った時には、首を傾けた彼と
私の唇が触れ合っていて、
顎に充てられた親指が
そこをクッと下に引き下ろし
出来た隙間から冷えた水が流し込まれる。

普段こんな事をされたら
全力で逃げ出すに違いないけれど、
甘い雰囲気に呑まれまくっている今なら、
それだって難なく許せてしまえるみたい。

「…ん…」

口内に溜まっていく水。
流し終えた宇髄さんは
私が飲み込めずにいる事に気がついて
舌を伸ばして喉の奥を
少しだけ開かせた。

むせてしまわないように、
私はキュッと喉を締める。
ゆっくりそれを繰り返し
なんとか嚥下し終えた私。

「…っ、ん…」

それでも終わらない口づけを受けながら

…なにかをしかけていたんじゃなかったかと
頭が冷静な事を考えた。

「…ん、ん…っ」

口を開けた状態で重なった口唇。
その奥で交わされる妖しい蠢き。


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