第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
そうだ…
今度は私の番、ということか。
「………」
「……睦?」
優しくも訝しそうに覗き込まれ…
私は喉に手を充てた。
あ、と気づいてくれた宇髄さんは
「…悪ィ」
そっと私を抱きしめて
小さく笑う。
「…?」
どうして笑うのかがわからずに首を傾げると、
宇髄さんは更に笑った。
「可愛いんだよ。
あんなに可愛く啼くから
声が出なくなるんだろ…?」
「!」
「真っ赤」
ふにっと頬を人差し指でつつかれる。
「…だめだ。
何しても可愛いな、どうなってんだ」
私もだめみたい。
この人が言う『可愛い』はだめ。
おじちゃんやおばちゃんが言うそれとは
比べ物にならないくらいの照れと破壊力が…
あぁ…治まれ心臓。
だってこんな、裸を曝している事の方が
よっぽど恥ずかしいだろうに
私はこの人のそのひと言に
ここまでおかしくされるなんて…
どうしたらいいかわからなくなった私の髪を
さらりと掻き上げて
顔から首元を露わにする。
赤く染まった顔を見られるのが恥ずかしくて
前身ごと布団に突っ伏した。
すると
肩口に優しく歯を立てられ
その甘い刺激に身体が跳ねてしまう。
「声が出ないくらいで話すの諦めんの…?
なら、次も俺がもらうけど」
「…っ?ぃ…ゃ…」
私が話したい。
聞いてほしい。
彼を押しのけるようにして
上体を起こした私に、
ニッと笑って見せてから
「じゃ、どうぞ」
なんて
わざとらしく言ってきたりする。
言えるモンならどうぞと
言われている気になった。
でもそれは、私に話させるための口実で
…何としてでも聞き出そうという
宇髄さんの気持ちの裏返しだ。
それくらいなら、
私にだってわかるようになったのだ。
「何がおかしいって…?」
布団に突いていた私の腕を
上手に引き上げて、
少し起こしかけた上体を
ころんと布団の上に落とし
そこに自分の身体を被せながら
宇髄さんはうっとりと目を閉じる。
そのままちゅっ、と口づけをくれて
私は一瞬、話をするのを忘れそうになった。