第46章 .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.
「俺のこと拒む口実か?」
鼻先を合わせ、
真っ直ぐに見下ろしてくる宇髄さんは
真意を見極めているように見えた。
「そんなんじゃなくて…」
確かに、雰囲気も何もあったもんじゃない。
こんな時に
この甘い雰囲気をぶち壊す私は
きっとどうかしてる。
「…本気で悩んでる?」
「うん…ごめんなさい…」
素直に謝ると、
そのまま押し付けるような口づけをして、
「しょうがねぇなぁ……」
ため息をついて…
しばし私を凝視め…
「…一旦…俺に溺れといてくんね?」
……はい…?
「一回抜いたら、その後でちゃんと聞くから
先に睦のこと愛させて…」
囁きは
私の顎を掬い上げ首筋に埋まる。
「あの…っ、そんな事できるくらいなら
わざわざ今
あんな話持ち出さなかったんですけど!」
落ち着いて交れないと思ったから
先に解決しようとしたんだよ。
余計な事が頭に浮かんで
きっと宇髄さんに集中出来ないから…
そんなの落ち着かないしイヤなんだ。
だけど宇髄さんは構わず
コトを進めていく。
「悪ィ…」
言い訳すらせずに、
ただひと言謝って
宇髄さんの口唇が鎖骨へと辿り着いた。
言い訳しないのは男らしいし
すごく好ましいんだけど…
この状況はなんともいただけない。
だけど、
いつもなら何をおいても
私を最優先してくれるこの人が
ここまで譲らない所を見ると
よっぽど我慢がきかないのだろう…。
大きな手に襟元を大きく開かれ
胸の膨らみが露わになると
彼の口唇は更にその先を目指して…
「や…宇髄さん…っ」
頭では理解していても
なかなか追いつかない…
彼の頭に手をかけ
髪を握り込んだ。
やめてほしいんじゃなくて、
先に、私の話を聞いて欲しかっただけで…
だけどこんなタイミングで
聞いてもらえるはずもない。
どう考えても、
私が間違っているんだけど…
「許せよ睦…
その代わり、俺以外のことは
考えられねぇようにしてやるから…」
「…っ!」
何という殺し文句。
押し黙ることしか出来なくなった。
それが狙いなのか…
それとも、そんな余裕もない…?