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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第46章  .☆.。.:.贖罪。.:*・°☆.






「最近ね、ちょっとおかしいの…」

私がそう伝えると
動きをピタリと止めて、

「……それ今言うコトか?」

宇髄さんは恨めしそうに私を睨んだ。





久しぶりの逢瀬。
2人の休みが合ったために、
朝から共に過ごしていた。

まるで夫婦ごっこ。

ごはんやお洗濯、
ゆっくり過ごすのも
何もかも一緒だった。

そんな楽しい1日はあっという間に過ぎて
夕飯の片付けなどをしていたら
すっかり遅くなってしまった私に
泊まっていけと提案してくれた宇髄さん。

別れが淋しかった私は
これ幸いとそのお誘いに乗った。

もしかして彼も、
別れを惜しんでくれたのかな?


寝室にきっちり敷かれた2組の布団。
明日の事も考えて
それぞれ静かに潜り込んだのはいいが…。


春の夜はまだ冷える。
おとなしく褥に入ったものの、
その冷えは私の眠気を奪っていた。

ふかふかで上質な毛布も
私の冷えを温め切れない。

いつまでも寝返りをうつ私を見兼ねたのか
上掛けをめくり招いてくれた彼の褥。

恥ずかしげもなく
そこへ飛び込んだ私。
だって絶対にあったかいもん…

潜り込んだ途端に
優しい香りと温もりに包まれた。

身も心も緩んでしまうほどの温かさに
私はホッと息をついたが、
……こんなふうに身を合わせて
何もなく過ごせるほど
私たちは超越しているわけではない。

向こうが動けばこちらも反応する。
いつもなら照れて拒む私も、
…会うのが久しぶりだからかな。
そんな気は起きなかった。

だけど——

互いを温め合う1歩手前。

彼は私の上に身体を乗せて
襟元を乱しながら
耳のそばに口づけをした所だった…。

私の頭の片隅で燻っていた
ここ最近、気になっていた事が
まるで夏の雲のようにむくむくと
湧き上がって行き…

申し訳ないことに、
愛の確認どころではなくなってしまったのだ。


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