第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
「付け合わせがイモ?」
「はい。いつもと同じになっちゃいますけど」
「いいねぇ、俺あれ好きだぞ。
いくらでも食える」
私の身体を閉じ込めるように
後ろから腕を伸ばし
宇髄さんは作業台へと手を突いた。
「うん。いっつもたくさん食べてくれる」
私はそれを思い出して嬉しくなる。
自分のお皿を空っぽにして、
足りないかのようにお腹をさするから
私のも食べてって言うと、
『睦がちゃんと食え』って言いながら
ちょっと物欲しそうにして、
結局完食した私がちょこっと残したカケラすら
見逃す事なくぱくりと食べてくれるのだ。
残さず食べて貰えるのって
とっても幸せなんだなぁと
心から思える瞬間だった。
「アレ作るのか…」
私の頭に顎を充てて
うーんと唸る…
「…はい、」
「あいつらに自慢してやりてぇような
食わしてやるの悔しいような…」
ブツブツと呪文みたいなのを唱え始め、
作業台にあった手が私を抱きしめる。
……手元が埋まるなら、
私でも不死川さんでもいいのかしら。
なんてね。
怒られそうだから言うのやめよ。
「…お料理、始めてもいいですか?」
両腕ごと抱きしめられて
私は身動きが取れない。
2人を働かせておいて私がこれじゃ
申し訳がたたない。
「俺は睦を料理してぇなぁ」
唇を頬に寄せる宇髄さんのおでこを
指先でぺちっと叩いて止める。
「やめて下さい」
「……」
うっとりと目を閉じていた宇髄さんは
ぱちりと…ジトっと私を見遣った。
「睦に1票」
土間に下りて
じゃがいもを洗っていた不死川さんは
背中を向けたままボソリと言う。
「ははは!俺も1票!」
筍のアク抜きをしている煉獄さんも
不死川さんを模した。
「ほんの冗談じゃねぇか」
「冗談に聞こえませんから。
ほら、宇髄さんも…」
私はお米を指差し示す。