第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
むっ
とした。
そうして、ハッとする。
私は何を考えているのだろう。
相手は不死川さんだ。
何をむっとする事があるのやら。
彼は私のなのにとか
私以外の人にくっつかないでとか
私だけを相手にしてほしいとか
そういう諸々の感情は
浮かんで来なかった事にしたい!
ぜひ無かった事に!
だって相手を考えなさいよ。
不死川さんだよ?
どう考えても私がおかしい。
誰にヤキモチ焼いてるんだ。
間違いなく、不死川さんにどやされる案件だ。
ぶんぶんと頭を振って
私は邪念を払拭した。
ごはんごはん!
「はー?言い方考えろよー。
何で俺が睦以外とイチャつかなきゃ
なんねぇのー」
「実際離してねえよなァ?
気色悪ィって言ってんだろうが」
ごはん……
「…満更でもねぇだろ?」
「それが誤解招くんだろうがァ!」
「すぐ怒るっぽいけど、
俺だけは知っててやるからな」
うんうんと頷く宇髄さんに
不死川さんは
「黙れェ!何の話してやがる!
離せって言ってんだろォ!」
怒りを露わにする。
…仲良しだなぁ。
私もあぁやって
ちょっと邪険に扱われたいな…
仲良しの象徴的な。
仲がいいから出来る
雑な扱いって、少し憧れる。
それをされない私は、少し淋しかったりして。
こんなに良くしてもらっておいて…
…贅沢かなぁ?
「睦、あとは何するんだァ」
「…宇髄さんと遊んでてもいいんですよ?」
「あァ…⁉︎」
「ごめんなさい。えぇと…
おいもさんを洗って下さると助かるなー」
つい口走ったイヤミをかき消すため、
わざと可愛いっぽく言ってみる。
「……あァ」
不機嫌そうに返事をして
それでもじゃがいもを手にして
私の言ったことを遂行してくれるようだ。
「イモ、何するんだ?」
不死川さんを手放して
手持ち無沙汰な宇髄さんは
私の後ろに立った。
「煮肴にします。お魚もあるみたいだし」
サワラの切り身があったはず…