第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
「あぁーありがてぇわぁ!
当然そこにゃあ
睦も横たわってんだろうなぁ⁉︎」
「む⁉︎何を言っているのだ!
睦はご飯を作ってくれるのだぞ」
煉獄さんは頭の上に
『?』をたくさん並べて首を傾げた。
「諦めろ宇髄、」
不死川さんは憐れみの表情で
宇髄さんの肩をぽんぽんと叩く。
「わかってくれるのねさねみん」
泣きマネをしながら
宇髄さんは不死川さんにしがみついた。
「冗談抜きで気持ち悪ィから
全力でやめてもらいてえんだけどよォ」
「またまた、嬉しいくせに」
「ぶった斬るぞォ」
「はいはい、照れ屋さんめ」
「睦、あの2人は大丈夫そうだぞ!」
「そうですか…?」
まぁ煉獄さんがそう言うなら大丈夫か。
「よし!では睦!
なにからする?」
大丈夫じゃあるか!という
宇髄さんの喚き声が聞こえた気がするけど
私には煉獄さんのひと言が大きく響いた。
「えぇッ?いいですよ、私がやりますから」
「なぜだ?手分けした方が早く終わるだろう」
まさかお手伝いをしてくれるとは
夢にも思わず
私は遠慮したというのに
煉獄さんはにこにことして
皮のついた筍を手に持った。
下拵えをしてくれるのだろうか…
「…皮むきして下さるんですか?」
ちょっと面倒だなと思っていた所への
素敵な申し出に、
私は甘え心を覗かせる。
「ああ!俺が食べたくて買ったものだからな!
責任は取ろう!」
…責任て。
煉獄さんらしいというか。
「ふふ、ありがとうございます。
よろしくお願いします!」
「よし任された!」
爽やかな笑みと共に頷いてくれた煉獄さんは
ふと、自分の後ろを振り返り、
「…君たちも、
いつまでもイチャついていないで
睦を手伝ってやるといい」
屈託のない様子で言った…
イチャつく…?
そちらへ目を向けると
確かに…宇髄さんは不死川さんに
しがみついたままで…
でも宇髄さんの方がちょっと背が大きいから
抱きしめるみたいになっていて…
見ようによっては、
イチャついているように見える……