第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
「…ちゃんと、納得いったか?」
あんな言い方をしたくせに
そう言って見下ろして来る不死川さんは
口元に笑みを湛え
そして優しい声をしていた。
「納得、というか…解決はしました」
「解決…ねェ。睦は
それでいいのかよォ?」
「はい、充分すぎるくらいです」
「そうか、睦がいいならいい」
「よかったな睦」
「煉獄さん、…ありがとうございます」
底抜けに優しいな。
もっとこうしろとか、
あぁしなきゃだめだとか、
そういう指導はないのかな…
何してもいいよ感が満載すぎて
私はこんなことでいいのかと
むしろ不安になるほどだ。
「ではもう帰るのか?」
…この人の、怒った所を見てみたいな…
「いえ!お世話になったので
お礼になるかどうかわかりませんが
ご飯を作らせていただこうかと…」
「いいのか?」
「ヤツはとっとと帰りてえんじゃねえのかよ」
……
「何でわかったんですか」
さっき帰りたいと言っていた。全力で。
「何でって…」
「確かにお疲れですもんね…
わがまま言って悪かったかな、」
「いやそうじゃねえだろ…いいけどよォ」
何やらボソボソ言う不死川さんは置いといて、
「煉獄さん、台所をお借りしてもいいですか?」
私は作業台に乗せられた食材を物色しつつ
もう作る気は満々だ。
「本気で作んの?」
いつのまにか台所の入り口に
げんなりとした宇髄さんが立っていた。
「はい!」
だってみんなでごはん、久しぶり。
絶対に楽しいしおいしいよ。
元気いっぱいに答えてしまった私に、
「………」
絶句した宇髄さんは
がっくりと項垂れて大きなため息をついた。
あぁ、しまった…!
「あの、ごめんなさい…お疲れなら…
さっきのお部屋で休ませてもらったり、」
私の提案に、
「俺は構わないぞ!」
煉獄さんが承諾をくれる。
「そうじゃねぇのよ」
「なんなら
布団も用意してやろう!」