第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
「なにが?」
「私の事、守ろうとしてくれて」
「そんなん当たり前だろ」
「当たり前じゃありません。
すごく、特別な事です。
私にはもったいないくらい」
「それは違うな。
当たり前になってもらわなきゃ困る。
お前に見合った代償だ」
「えぇ…?」
ころころ笑われると心地いい。
可愛い睦を、
構いたくなる。
「睦」
「はい」
「今回のこと、ほんとに納得したか?」
あんなに泣いていたのに、
何でもなかったかのようにしている今、
…ちゃんと飲み込んだ上なのかと
多少の不安に襲われる。
「はい。…こうやって
宇髄さんと一緒にいたら
なんでも大丈夫になっちゃいまして…」
「そりゃ、俺がいなかったら
またあぁやって泣くってことか?」
「さぁ…そうかもしれません」
「おいおい……」
勘弁してくれよ。
「だから、離れないでねって、事ですよ…っ」
語尾は、少し怒ったような、
照れを誤魔化すような……
可愛いだろ、
「やべぇな、そんなこと言うなよ。
俺もうお前の事どこにでも連れてくぞ」
「ほんと…?」
えぇー?
「何でそんな嬉しそうなんだよ…」
「だ、って…嬉しいもん…」
「なぁ睦…帰ろうぜ、」
「えぇ?何で急に…」
理由なんかひとつしかなくね?
なのに、この天然おとぼけキャラは
「さっきお2人が、
お買い物から戻られましたよね。
お礼にご飯作ってさしあげてからでも
いいですか?」
真剣にそう言いやがる。
いいワケねぇだろうが。
…だけど、
惚れたが負けだ…
「しょうがねぇな…
今はこれだけで我慢しといてやるよ」
そうして、
不思議そうにこちらを見上げた睦に
深く口づけをしたのだった。