第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
「それともやっぱり
ちゃんと話さねぇと納得いかねぇか?」
まぁ、睦がそう言うのなら
話さないワケにはいかねぇが。
だけど睦は
小さく首を横に振る。
「…でも私は、…
そんな事でいいんでしょうか…」
「ん?」
戸惑いがちに目を泳がせる睦を、
当たり前を装って抱き寄せてみる。
なんとなく、嫌がられるかと思っていたのに
予想と違い
すんなりと抱きしめられてくれる睦が
やっぱり愛しかった。
「それじゃあ、
私は結局何もしてないのと同じです」
無意識だろうか。
俺の腰に腕を回して正面から抱きつく。
愛しい体温が近づくと
心が叫び出して、
また愛しさを募らせて行くんだ。
「どこがだよ。ここにこうしていてくれる事が
俺にとっての最高の強みなんだぞ」
俺は小さな身体を抱きしめ直す。
隙間を埋めたくて
強めに抱き寄せると、
胡座の上になだれ込んでしまい、
体制を整えようと起こした体を
更に包み込んだ。
離れたくないの。
何のために、早く帰って来たと思ってる。
うまいこと
俺の膝の上に座る格好になった睦は
もう諦めたのか、
そのまま俺に身体を預けてくれた。
「俺だって、
お前に隠し事をしてぇワケじゃねぇよ。
でも聞かずにいられるなら
聞かねぇ方がいい事もある…
その判断を、俺に任せてはもらえないか?」
話せる事と、話せねぇ事。
話してぇ事…。
その色々を、
俺が判断してもいいようにしてもらいたい。
「…はい、私の…ためになるんですよね?」
「あぁ。そこは誓う。
睦の事は信頼してる。
だが、負担にはなりたくねぇし、
余計な心配もさせたくねぇんだ。
わかって、くれるか…?」
「…わかりました。
宇髄さんを信じます」
額を俺の首筋に擦り付けて
睦は笑ったような声で言った。
わかってくれてひと安心だ。
だが、
「でも、…」
それにも続きがあるようで…