第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
「俺は、お前が求めてる答えを
ちゃんとあげられなくて
悪ィなぁって思ってただけの事だ」
「家族の事なんて、…
良いことばっかりじゃないってわかってたのに
…何にも考えずにあんな事を訊いたりして…
ほんとにごめんなさい…」
ほんとにそんな事を思ってたのか…?
俺が思ってたのと違うな。
てっきり、睦の事を放って行ったのを
嘆いているものだとばかり思っていた。
「別に何とも思ってねぇよ、気にしすぎだ」
「気にもしますよ…
誰にだって
言いたくない事はあるのに…」
眉を寄せ
伏せられた目からは
さすがにもうよくねぇかと言いたくなる
涙が落ちた。
こいつは最初から、
俺のために泣いていたのだ。
俺を悲しませたんじゃないか、って。
それだけを思っていたんだな。
「…お前に話せねぇ俺が悪い」
「……」
聞き間違いとでも思ったのだろう。
なみなみと涙を湛えた瞳を見開いて
無言で俺を凝視めてくる。
こいつの目は
言葉よりもわかりやすく語りかけて来るな。
なんて可愛らしい…
「話せねぇままの俺が悪ィっての。
睦はなーんにも悪くねぇよ。
お前が不死川に言われた通り、
俺は、お前の事は請け負いてぇくせに
お前には背負わせたくねぇんだ」
「そんなの…」
「あぁ,ひでぇ話だなぁ?」
「……」
さっきまでとは全く違った眼差しだ。
悲しみの代わりに、
少しの戸惑いとちょっとした希望。
目尻に残った涙がキラリと光った。
わかっていながらも
ひどい事をする俺を
睦は容認するだろうか。
ひどい事、ったって、
俺が睦のためを思ってする身勝手だがな。
「お前の事を思ってしてる俺の身勝手を
許してくれねぇかなぁ」
「えぇ…?ど、ゆこと…?」
困惑気味の睦。
それもまた可愛い。
「だって睦は、
散々つらい思いをしてきたろ。
もう、いいだろうって思うんだよな。
俺に甘えててもらいてぇんだけど」