第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
それがまた愛しくて、
こいつがこっちを向く様が
幸せで幸せで、
もう絶対ぇに離さねぇって、
あの時誓ったのにな…
こいつをこんなにしたのは俺のせい。
また、あの時のように戻ってしまったら
俺は自分を責めて責めて…
止まらなくなるだろう。
こんな所で立ち止まってていいのか。
俺が今大切にすべきなのは
睦の傷ついた気持ちであって
俺の意地では無い。
「…睦、」
呼びかけたが
やはり返事はなかった。
そりゃそうか。
「睦、ごめん。
確かに今回、勝手だった」
「……」
「お前に話せねぇ事があるってのは
俺自身も心苦しいんだ。
だけどそれは、完全に俺の問題であって
睦には、関係ねぇもんな」
「……」
睦は声も発さないまま
小さくかぶりを振った。
「…ん?」
俺と、会話をしてほしい。
ちゃんと目を見て、
すれ違った心を取り戻したい。
「宇髄さんは、悪くありません…」
「…でもさっき、…
俺がお前を頼らねぇからって、」
「あれは…!不死川さんが、
そう言ってたから…そうなのかなって…」
なんだとぉ…?
あの野郎…
ん?
「じゃ何なんだ。何をそんな怒ってんだよ」
「怒ってません…。怒ってるのは、
宇髄さんの方なんじゃありませんか…?」
恐る恐る言う睦は
まだ俺と目を合わせてはくれない。
許されていないような気になって、
淋しいものだ…
「何で俺が怒るんだ?
睦…何かしたのか?」
そうだ。
こいつはさっきも
そんな事を言っていた。
相変わらず
睦が俺を怒らせるような事柄に
思い当たる事はなく、
お手上げの俺は睦の言葉を待った。
睦はあちこちに視線を泳がせていたが
「私…この間…」
ようやく話し出す。
…話し出したものの、
そこで止めてしまい
その先をなかなか話出さない。