第45章  .☆.｡.:.笑って。.:*・°☆.

俺らの言い合いを傍観していた煉獄は

「2人とも待て、落ち着きなさい」

俺らの間に入った。

「落ち着いてる」

「落ち着いてられると思いますか？」

「「……」」

正反対の事を言った俺たちに
煉獄と不死川は黙り込んでしまう。

……おかしいよな。

「…睦、素直んなれよォ？
後で後悔すんの自分だぞ」

「……」

不死川に諭されて
俯き思案顔になる睦。

また、それがまた…気に入らねぇ。

「宇髄！気を悪くしている場合ではない！
いつもの深愛はどうした！」

「…俺でもな、傷つく事くらいあんの」

「どうしたというのだ！」

「ちょっともう帰らせて…」

いたたまれないにも程がある。

「ちょっと2人で話すといい」

「そうだなァ。俺らは…」

「…では、夕飯の買い出しにでも行こう！」

「何で俺もだよ」

「いいではないか！
2人で一緒に作るのも楽しいだろう」

「いや、そんなんするくらいなら
俺帰るわァ」

「なんと‼︎俺とでは不満か！」

「あ″ァ！声がでかい！もういい！何買うんだァ」

「まず米だな！」

「オイ！荷物持ちじゃねえかァ！」

「助かる！」

「そりゃもう夕飯の買い出しじゃねえだろうよ」

俺の意見はまるで無視。
2人は睦に目配せしながら
アホな会話と共に部屋を後にする。

…睦主体で動くのね。

俺なんか眼中ねぇってさ。

……はぁ。
ちょっと。

落ち着いてると言ってしまった手前、
本当に落ち着かなくては
様にならねぇな…

ひとつ大きな息をつき、心を整えた。

俯いたまま、
置き去りにされた子どものような睦。
その前に、俺はあぐらをかいた。

睦が
ガチガチに緊張しているのがわかる。
…俺のせいだよな。

そうだ。
睦はこんなだった。
最初に再開した時も、
まったく柔らかさはなく
ド緊張してたっけ。