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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第45章  .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.






そう思うと新たに涙が溢れて、
でももうそれを曝したくない私は
身を小さく縮めて3人から隠れた。

やだやだ。
泣くのも、気を遣わせるのも。
こんな自分もぜぇんぶ。




















こっからの往復。

行って帰って…
ざっと見積もって3日。

と思って、煉獄にそう伝えて出かけた。
もしその間に愛しい女に何かあったら
俺に代わってどうにかしてもらいかったから。

え?
不死川?
だめだめ。
アイツは危険だから。
睦がやけにご執心。
だから2人きりにはさせたくねぇの。

そうそう、小せぇのよ俺は。


少し前に、
兄弟がいるってどんな感じか、と
睦に訊かれた。

自分には兄弟がおらず
幼い頃に淋しい思いをしたから、
兄弟のいる俺が羨ましいんだそうだ。

だけど…羨ましがられるような間柄では
全然ないからさぁ。

だからってウソつけねぇし。
ホントのコト言うのも気が引ける。

だから曖昧に濁したのだが…

まぁ納得いかねぇよなぁ。

納得いかなかったとしても、
飲み込んでもらうしかねぇんだけど。
だって俺の兄弟との話なんて
まともに聞かせるつもりはねぇ。

ただ、何故このタイミングで
そんな話を持ち出したのか…

もうすぐ墓参りに行くって時に。
ほんっと折りが悪ィったら。

『兄弟の墓参りに行って来るなー』

って。
かるーく言わせてもらうつもりでいた。
そう言っちまえば、
睦はきっと
それ以上突っ込んでは来ねぇだろうと思ったから
気軽に言ってやろうと思っていたのに。

それで
詳しい話を回避できれば万々歳だったのだ。

な、の、に。

あんな、兄弟羨ましいわの話を
思い切り濁した後に、
兄弟の墓参り行くなんて
誰が言い出せるんだよ。

そんなの、睦を泣かせること必至だ。

私はなんて事を言ってしまったの

そんな気持ちに苛まれるに決まっている。
何にも悪くはないのにだ。

悪いのは、はっきり話そうとしない俺だ。
睦に軽蔑されたくねぇのと、
未だに自分を許せねぇのと…


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